りゅうのめのなみだ
作:はまだひろすけ 絵:いわさきちひろ 出版:偕成社 この本の詳細を見る。 |
山のどこかに隠れているという大きな竜は、昔から人々に恐れられてきました。
しかし、ある町に住むひとりの子どもは、竜の話を聞いても怖がることがなく、皆に嫌われている竜のことを気の毒に思い、会いに行こうと考えました。そして
実際に会って話をした竜は、姿形は恐ろしくも優しい心を持っていることが分かり、子どもと心を通わすことができました。
「これまで、わたしは、にんげんから、ただの 一ども、
やさしい こえを かけて もらった ことが ない。
いや、それどころか、いつでも きらわれ、 にくまれつづけて きたのだよ。」
竜の目からは涙が流れ、大きな川の流れになり・・・。
本当は優しい心を持っているのに見た目が異質な者を、外観や周りの評判だけで判断し、恐れ憎むという人間の愚かさという主題は「ないた赤おに」にも通じるものがあるのではないでしょうか。 いわさきちひろさんの絵も印象的な、ひろすけ童話の代表作です。